見習い魔女Lv2

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妖艶で幻想的なサスペンス小説「ウツボカズラの甘い息」

今回は久しぶりに面白いと感じた本の紹介をします。

  

ウツボカズラの甘い息/柚月裕子/299円

ジャンル:ミステリー・サスペンス

 

家事と育児に追われる高村文絵はある日、中学時代の同級生、加奈子に再会。彼女から化粧品販売ビジネスに誘われ、大金と生き甲斐を手にしたが、鎌倉で起きた殺人事件の容疑者として突然逮捕されてしまう。無実を訴える文絵だが、鍵を握る加奈子が姿を消し、更に詐欺容疑まで重なって……。全ては文絵の虚言か企み虚言か企みか? 戦慄の犯罪小説。 

 

まずこの小説、話のテンポがとても速いです。いい意味で飽きさせない濃い内容だと思いました。ページ数も結構あるな、という感じだったのですが読み進めるとあっという間に最後まで進んでしまいます。

最後のシーンは少し呆気ない感じで物足りなさも感じましたが、だらだらとした文が苦手な人にはとてもおすすめな文章だと感じました。

 

hima-3.hatenablog.com

 

 

ところでみなさんはウツボカズラという植物をご存知でしょうか?

 

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ウツボカズラのイラスト_いらすとや


ウツボカズラは葉先から伸びた蔓の先の捕虫袋をつける食虫植物で捕虫袋です。花言葉は「からみつく視線」「甘い罠」「油断」「熱い感動」ととても妖艶な植物なのです。

ウツボカズラの甘い息」この小説を読むことでウツボカズラ という植物についても興味を唆られる内容です。

 

時系列がどくどくの表現だと感じましたが中盤から各登場人物たちの真実にハッとさせられる内容で最後までさっと読める小説です。そして、もう一度読み返すと別の物語が見えてくる…そんな内容でした。

どこまでが幻想で、どこからが真実だったのか、ぜひ二度読み返して見てください。